この資料は、山間部などのLTE圏外やスマートフォンが使えない過酷なスポーツ環境において、ZETAを活用してランナーの衣服内温度や周囲の環境データをリアルタイムに計測・伝送した実証実験の記録です。
衣服内温度やシューズ底温度を、ランナーの走行動作(身体による電波遮蔽や激しい振り子運動)がある状態でも、ZETAを用いて安定して計測・伝送できることを確認しました。
凸版印刷、テクサー、アシックスの3社共同で、高低差のある1.4kmの山間部ルートに中継機を設置し、ランナーの衣服内温度をリアルタイムにモニタリングする実証を行いました。
スマホを持たない子供や高齢者の見守り、過酷なアウトドアスポーツにおける遭難対策やミスコース検知など、ZETAの強みを活かした安全対策のアイデアを提示しています。
スポーツや健康促進分野において、センサー情報を通信技術を介してクラウドに送り、データを管理・分析する「スポーツIoT」の重要性が高まっています。しかし、トレイルランニング(=舗装路以外の山野を走るスポーツ)や登山などの山間部では、LTE(=携帯電話の電波)が圏外になるエリアが多く、スマートフォンの操作も困難なため、データの収集や安全管理が課題となっていました。
そこで、低消費電力で広範囲をカバーでき、携帯圏外でも自前でネットワークを構築できるLPWA(=省電力広域無線通信)、特に中継機によるマルチホップ(=バケツリレー伝送)が強みであるZETAに注目し、スポーツシーンへの適用可能性を検証しました。
実証実験では、まずランナーの腹部や足元に温度センサーとZETA送信機を装着し、走る動作による身体の遮蔽や激しい動きがある状態での通信品質を検証しました。その結果、市民ランナーのマラソン速度やトレイルランニング速度においても、衣服内温度や外気温度を良好に伝送できることが確認されました。
さらに、実際の山間部トレイルコースにおいて、中継機2台とアクセスポイント(AP)を設置し、高低差のある1.4kmのルートで衣服内温度のリアルタイム計測に成功しました。これにより、過酷な環境下でもランナーの体調やコンディションを常時監視できる可能性が示されました。
今後は、準天頂衛星「みちびき」による高精度な位置測位と組み合わせることで、遭難救助やミスコース検知、ハイカーとランナーの衝突回避など、より安全で快適なスポーツ・見守り環境の構築が期待されます。実験データの詳細や具体的なシステム構成については、資料本編(PDF)をご覧ください。
ZETAアライアンスは、産官学民でZETAの活用を広げる団体です。会員になると、技術・マーケティング資料の入手、ワーキンググループやセミナー・シンポジウムへの参加、ビジネスマッチングなどの機会をご利用いただけます。実証事例にご関心をお持ちの方は、ぜひ入会をご検討ください。