この資料は、大雨による都市型内水氾濫(=排水能力を超えて街が浸水すること)を防ぐため、ZETAのマルチホップ通信と地上のAIカメラ画像を組み合わせたリアルタイム監視システムの実証実験について紹介したセミナー資料です。
近年、局地的な豪雨によって下水道や水路から水があふれる「都市型内水氾濫」が全国的な課題となっています。この被害を最小限に抑えるには、地下の排水インフラ(下水道やマンホール内)の水位をリアルタイムに把握する必要があります。しかし、鉄製のマンホール蓋は電波を強く遮るため、一般的な無線通信ではデータを地上に送ることが極めて困難でした。
本プロジェクト(NICT課題236)では、この通信課題を解決するため、低消費電力で障害物に強いLPWA規格「ZETA」を活用。さらに地上の定点カメラ画像と組み合わせることで、地下と地上の両面から多角的に水害リスクを監視・予測する先進的なAIoTシステムの構築を目指しました。
神奈川県藤沢市の慶応大学SFC周辺の冠水リスクが高いエリアにおいて、マンホール内2箇所と開渠(=蓋のない水路)1箇所に水圧式水位センサーとZETA送信機を設置しました。マンホール蓋で減衰した信号を、地上の街灯などに設置したZETA中継機を介してマルチホップ通信することで、安定したデータ回収に成功しています。
また、地上の定点カメラ画像を新規格無線「Wi-Fi HaLow(=長距離通信が可能な11ah規格のWi-Fi)」で中継送信し、AIによる画像分析(雨の除去や降水量推定)と組み合わせることで、モバイル回線やWi-Fiがない環境でも動作する自立型の監視網を実現しました。実際の台風時にも、水位が急上昇する様子をリアルタイムに捉え、設定した閾値を超えた際に自動でアラートメールを送信する仕組みの実証に成功しています。この成果は、自治体の防災担当者やインフラ管理者の迅速な避難誘導・通行規制判断に役立ちます。
システムの具体的な構成や、実際の豪雨時における水位データのグラフ、AI画像分析の仕組みなど、詳しくは資料本編(PDF)をご覧ください。
ZETAアライアンスは、産官学民でZETAの活用を広げる団体です。会員になると、技術・マーケティング資料の入手、ワーキンググループやセミナー・シンポジウムへの参加、ビジネスマッチングなどの機会をご利用いただけます。実証事例にご関心をお持ちの方は、ぜひ入会をご検討ください。